対話デザイン 多人数の一斉授業を「知識伝達」から「知の創造」へ

対話デザインとは

対話デザインのコンセプト図

対話デザインとは、大学の講義科目において、受講生を自律的な議論の参加者に育てる授業システムです。このシステムを導入した授業では、教師による講義内容をふまえ、受講生一人ひとりが推論します。学生スタッフはたくさんの意見カードの中から、一定の評価基準を用いて、質の高い意見を抽出し、編集します。教師と受講生の対話を学生スタッフが媒介する、という三者の対話のプロセスは「十字モデル」を設計図としてデザインされています。こうして、多人数の意見を有機的につなぎ、毎回の授業の積み重ねを通して新しい知の創造をめざします。

牧野ゼミ10期生

くわしくは、対話デザインの授業システムを多角的に可視化した「ビデオ」をご参照ください。

(*資料「意見カードで情報活用する言語活動―論理的思考力の基礎づくり」も合わせてどうぞ)

対話デザインの成果は

こうして、受講生一人ひとりが力をつけることにより、学期の終わりには、教員が介入しなくても、受講生と学生スタッフが自分たちで建設的な議論を進められるようになります。このとき、議論は「十字モデル」を用いたグループワークとして進めます。

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つまり、対話デザインのトレーニングによって、自律的な議論の参加者として成長するのです。

スタッフのチームワーク

受講生の思考力・判断力・表現力・対話力は鍛えられ、スタッフのチームワークが育ちます。

対話デザインで、思考力・判断力・表現力・対話力、そしてチームワーク
【17分47秒】

対話デザインふりかえり

 

関西大学総合情報学部牧野ゼミ11期生

 

映像制作プロジェクト

この授業システムを多角的に可視化するプロジェクトに取り組みました。卒業生やゼミのメンバーが力を注いてくれたおかげで、当初イメージしていたものよりはるかにいいものができました。

牧野ゼミ

DVDとしてパッケージ化した「ビデオ」はYouTubeからもご覧いただけます。

対話デザインDVD

このプロジェクトは、日本学術振興会の科学研究費(課題番号:23650554)の助成を受けました。正式名称はこちらです。

スタジオでの撮影

牧野ゼミ映像制作プロジェクトの一コマです。私も急きょ代役で出演することになりました。

スタジオでの撮影スタジオでの撮影

 

卒業生たちの声

対話デザインは、牧野ゼミのメンバーが毎年少しずつ改良を重ねて積み上げた共同研究の成果です。これからも進化し続けます。

牧野ゼミ第1期生牧野ゼミ第2期生牧野ゼミ第3期生牧野ゼミ第4期生牧野ゼミ第5期生牧野ゼミ第6期生牧野ゼミ7期生牧野ゼミ8期生牧野ゼミ9期生

 

卒業生たちにたずねてみました。

アンケートの質問

1.現在の職業は何ですか?
2.大学3年生の秋学期に対話デザイン・プロジェクトを経験したことは、その後、あなたの人生に何か影響をもたらしましたか?「はい」「いいえ」のどちらかを選んでください。
3.その理由をくわしく聞かせてください。

アンケートの回答

<A>
1.会社役員
2.はい。
3.一番にパッと思い浮かぶことは論理的な思考が自然と身についていたことです。自然に、というところがかなり重要です。自分の意見を主張するときに、相手の意見や反論を想定したり、論理的に説得することが自然と身についています。つまり、そもそも意識していないということです。これは今後の人生に大いに役立ちます。

<B>
1.番組制作のアシスタントディレクター
2.はい。
3.番組PRのVTR制作中、わかりやすいVTRを意識したときに、ふと対話デザインの一連の流れを思い出すことがありました。

<C>
1.配達業務
2.はい。
3.いろんな考えの人と接することで視野が広まり、コミュニケーションの大切さを学びました。社会に出てからも、それを会話や作業をする時に活かすことができました。

<D>
1.撮影スタジオのスタッフ
2.はい。
3.何かを計画したり、作ったりする時など、アイデアを形にするときに、十字モデルを自然に使っていたように思います。深く考える力がつきました。対話デザインそれ自体は仕事でも普段の生活でも使うことはあまりないかと思います。でも、伝えたいことを噛み砕いて、他の方法で伝えるという意味では、私の制作活動に役立っている部分もあるかもしれません。 対話デザインで、たくさんアイデア出しをしたので。

<E>
1.サッカーのインストラクター、雑誌編集
2.いいえ。
3.対話デザインは主に、意見を集約・整理し、新しいアウトプットにする方法ですが、仕事上、自分の考えを提案し、クライアントや選手のほうが最良の方法を判断するというスタイルなので、使う機会がないという意味での「いいえ」です。今後、使う機会があるかもしれません。

<F>
1.経営コンサルタント
2.はい。
3.十字モデルを用いた論理的思考の活動は、卒業した今も、物を考えたり、文章を考えたりする時に、自然と活用できています。思考のフレームワークは一見とっつきにくく、内容も使い方も難しそうに思えますが、案外使いこなすのは難しくないですよね。使い方を覚えてしまえば、様々なシーンで活用する事が出来ます。使える人と使えない人では大きく差が開くと感じます。

<G>
1.インターネット上のWeb商店街の営業コンサルタント(店舗の経営や商品開発のアドバイス、トラブル対応、広告販売、債権回収)
2.はい。
3.十字モデルはもちろん、その他に映像編集やゼミ生同士での討論、先生との話し合いなどを通じて得た事が、社会人としての人生の中でとても役立っていると感じております!十字モデルを学んだ事で、自分の意見を伝えたり、相手を説得するためにどのような情報が必要か、どのような順序で話したらいいかなどを考える癖がつき、それを営業の際などに活かせていると感じます。

<H>
1.ホテルマン
2.はい。
3.「伝える」ということを改めて考えることでいろいろな発見がありました。社会で生きていく中で人と接する機会は多いです。対話デザインから学んだことを役立てると、物事が円滑に進むことが多々あります。

<I>
1.フリーのクリエイター(映像制作など)
2.はい。
3.対話デザインでの発表を通して、多くの人にメッセージを伝える難しさを感じたので、表現者として「伝えること」の勉強になりました。

<J>
1.システムエンジニア
2.はい。
3.限られた時間の中で、今何をしないといけないのか、自分でしっかり考えて行動できるようになった。自分の意見をしっかり持つようになった。時間までに終わらせる計画性が身についた。相手が誰だとしても、自分の意見を伝えられるようになった。チームで作業を進めていくために、チームのメンバーの特性を素早く認識できるようになった。

<K>
1.塗料メーカー(生産工程や在庫の管理)
2.はい。
3.何かを言葉で伝えるということが苦手でした。対話デザインを通して、私の中に言葉で伝える際に一つの柱ができたと考えています。その柱というのが、頭の中で十字モデルを描いて、それを言葉にするというスキルで、そのスキルは格段にあがったと思います。仕事上、会議などで自分の意見を述べる機会が多く、頭のなかで整理して発言できています。相手に自分の思いを伝えるスキルが向上したのは間違いないと思います。

<L>
1.技術職(記録作成、機械製図補助、技術翻訳)
2.はい。
3.自分の意見に自信を持てるようになりました。また、人の意見を真剣に聞くようになりました。細かく言うときりがないため、2つにしぼりました。文章にすると簡単なようですが、前者は特に、自分に自信がなかった私にとって、非常に大きな財産です。

<M>
1.携帯電話の販売
2.はい。
3.今まで目を伏せたかった自分の弱点がはっきりと見えた気がします。皆で一つのものを作り上げる事の難しさを学び、その後に発表した後の爽快感を感じ、この対話デザインがあったからこそ、ゼミの絆も深まったように思います。

<N>
1.事務
2.現時点では、良く分かりません。私の気づいていないところで人生に影響を及ぼしているのかもしれませんが。
3.ただ、とても良い経験だったと思っています。

<O>
1.菓子製造
2.はい。
3.研修などで大勢の人の前で発表する時、堂々と話せるようになりました。大勢と言っても、対話デザインのように200人の前で話す事に比べると、かなり楽です。

<P>
1.教育産業
2.はい。
3.生徒との面談であったり、会議の場などで、ロジカルな物の考え方として、常に役だっていると感じております。議題に対して、自分の主張を考える時、自分の思考の根底にあるのが、対話デザインで習った事だと思います。 日々の業務に直接関わってくる、というより、会社であったり、生徒であったり、保護者であったり、みんな色々な問題を抱えています。その問題の解決策としての考え方が、対話デザインで勉強した事が役に立っているのではないかと考えています。

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参考文献

対話デザインについては、こちらで詳しく解説しています。